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手の洗い方
(1)手の洗い方の目安

強迫性障害では、手洗いが過剰になっている人がいます。
ばい菌が残っていないか、顕微鏡でもないとわからないため、何回洗えば、安全なのかわからなくなってしまうことがあります。

普通の人が、手を洗うのは、次を参考にしてください。

● 洗浄行為への規則( [1]「強迫性障害からの脱出」p202より)
@ トイレに行った後で、洗うのはよろしい。
A 食べる前に、洗うのはよろしい。
B 身体のどこかに(目に見える)汚れを見つけたときは、洗ってよい。
C 有毒物のラベルがついているものに触れたときは、洗ってもよい。

トイレの後、食事の前、これは洗わない人も、世間では多いですね。

ただし、強迫性障害の人は、初めからこのような適度な洗い方をするのが困難なので、HP「原井宏明の情報公開」に書かれている行動療法では、次のように書かれています。

[2]より引用-----
「いくら汚れたと思っても、洗いたくなっても、約束の期間はまったく洗わない・洗わせないという方法をとります。患者さんは「ふつうの人は外出から帰ったときに手を洗う」と抵抗しますが、アルコール依存症の人にとって断酒はできても節酒は困難なのと同じように、手洗い強迫の人には人並みの洗い方をすることが困難なのだということをわかっていただかなくてはなりません。まったく洗わないほうがむしろ楽にできるのです。洗わずにいても何も悪いことが起こらないと気づいてもらった上で、治療者と一緒に、ほどほどに洗う練習をくりかえします。」

行動療法をする上で大事なのは、赤字の部分です。洗わずにいる、つまり反応妨害をしていても、頭に浮かぶような不安は起きないし、そのような不安は次第に減っていくという、不安の基本的なしくみを理解していないと、うまくいかないと思います。
(2)除菌率
「手洗い」は、医療関係者、食品関係者は、念入りにしなくてはならない場合があります。
でも、一般の人は、そこまでしなくていいんです。
どのように洗えば、どのくらい菌が落ちるのかは、きちんと研究されています。

[3]「暮らしと体のダニ・カビ撃退法」(主婦の友社)p120によると、
水道水のみによる流水手洗いでは、除菌率が平均50%
薬剤固形石けんを使用した場合 除菌率が平均63%
薬剤液体石けんを使用した場合 除菌率が平均74%

いずれも手を洗う回数は、1回です。
・100%除菌する必要はなく、日常はこれで十分です。
・菌は、空気中、服や肌はもちろん、あらゆる物の表面にいるため、 ある程度は、手に付いていて当然だからです。
(3)皮膚への影響

手を洗う回数が多ければ、より清潔になるというものではありません。
皮膚をこすりすぎて、表皮細胞がささくれだって、肌荒れの状態になると、表皮細胞にくぼみはできるし、皮膚の油が減ります。皮膚の表面には、皮脂という油が分泌されて、保湿の役割と、病原菌や外界からの刺激物から皮膚を守る働きがあります。
石鹸や洗剤は、元々油汚れをとるための成分が含まれていますが、過剰に石鹸などで洗ってしまうと、この皮脂もとってしまうためです。ですから、皮脂を過剰にとってしまうと、皮膚が乾燥し、痒くなったり、皮膚炎になってしまったりします。皮脂は、多くても少なくてもいいものではなく、どちらかに偏ると、かえって、外からの異物、ばい菌が攻めやすくなるそうです。

(4)時代の移り変わり
昔のように、道路も舗装されていなく、畑仕事や土いじりが日常だった頃は、誰でもすぐに手が土で黒っぽく汚れていたはずです。生ゴミや肥料を素手で扱うこともあったでしょうし、トイレも水洗が普及する前の頃は、今より汚い場所でした。ですから、食事の前に手を洗うことは、大事だったはずです。
ですが、現代では普通の事務仕事や家事をしている程度では、目に付くような汚れが手につくことは、あまりないはずです。しかし、現代では、病気・衛生に関する情報、手を洗うための製品もいっぱいあります。そのような中で、手を洗うことへの考え方も、つい頭の中で考えて、誤解されやすくなってしまっている面もあるように思います。
そのような理屈抜きで、他の人と同じ洗い方に戻せればいいのですが、一度、習慣になってしまうと難しいのが、強迫のときのパターンです。
引用・参考

[1]リー・ベア 「強迫性障害からの脱出」昌文社(2000)
[2]HP「原井宏明の情報公開」
[3]吉川翠・倉田浩 「暮らしと体のダニ・カビ撃退法」主婦の友社(1990)

[4] 藤田紘一郎「バイキンが子どもを強くするーキレイすぎおかあさんへの100の警告婦人生活社(1999) p208 1300円+税・清潔についての本は、本のページにも載せた藤田紘一郎氏によるものが何冊も出ているので、よろしければ。

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